当事者セラピストの存在を知っていますか?

『当事者セラピスト』とは言葉

の通り、何らかの疾病や障害を

抱えながらセラピスト(理学

療法士・作業療法士・言語

聴覚士)として活動されている

方々の事を言います

 

当事者セラピストという言葉

自体はシャルコーマリー

トゥース病という神経難病を

抱えながら作業療法士として

活動されている山田隆司さんと

 

重症筋無力症を抱えながら、

作業療法士として活動されて

おられましたが、今年の春

亡くなられた押富俊恵さんが

創造された造語だそうです

私自身、SNSを活用し始める

でこういった方々が全国に

いる事をまるで知りません

でした

 

『脳卒中患者だった理学療法士

が伝えたい、本当のこと』を

出版された理学療法士の小林

純也さんや

 

『まさか、この私が 脳卒中

からの生還』を出版されている

言語聴覚士の関啓子さんの存在

を書籍を通じてご存じの方は

いるのかもしれませんね

 

私が知る限りでは他にも山田

さんと同じ

 

シャルコーマリートゥース病

×言語聴覚士

 

ギランバレー症候群

×理学療法士

 

脊髄小脳変性症×作業療法士

 

頚髄損傷×理学療法士

 

脳性麻痺×理学療法士

 

リウマチ×作業療法士

 

脳出血×作業療法士

 

先天性白内障×作業療法士

 

発達障害×理学療法士

 

等、様々な当事者セラピストが

全国各地にはいるそうです

 

私自身、当事者セラピストの

方々の活動は非常に貴重だと

考えています

 

もちろん当事者セラピスト

ご本人にしかわからないご苦労

あると思いますし『障害は

ない方がいいに決まってる』と

ある当事者セラピストの方が

われているのを聞いた事も

あります

 

一方で当事者セラピストだから

こその価値もあると私は考えて

います

 

『当事者でもない、当事者セラ

ピストでもないお前が言うな』

 

というご意見もあるかもしれま

せんが、私なりに数人の当事者

セラピストの方達と出会い、

意見交換して来た中で感じた事

をまとめておこうと思います

 

私が考える当事者セラピストの

最大の強みは

 

『当事者視点とセラピスト視点

の両方を持っている』という事

 

具体的には。。。

 

医療介護業界ではよく患者さん

に寄り添うという言葉が使われ

ますが、当たり前ですが当事者

の気持ちは当事者本人にしか

わかりませんよね

 

いくらセラピストとして、同

疾患の人を多数担当した経験が

あったとしても、じっくり話を

聴く意識を持って日々患者さん

と関わっていたとしても、

100%寄り添うなんて事は不可能

です

 

そこは当事者セラピストに関し

ても同じかもしれませんが、

少なくとも当事者経験のない

セラピストよりは寄り添える

部分はあるのではないで

しょうか?

 

例え話として正しいかはわかり

ませんが、私は養成校時代に

留年と臨床実習不合格を経験

しています

 

だからこそ今は留年や臨床実

不合格経験に悩んでいる学生達

に少しは寄り添えるのではない

か、過去の苦い経験は今

なっては自分の強みなのでは

ないかと捉えています

 

当事者も留年や臨床実習不合格

苦しんだ学生も同じ苦しみを

知っている人の言葉や考え方で

あれば耳を傾けてみようと思

かもしれませんよね

 

当事者セラピストといっても、

正確には2パターンに

分かれます

 

幼少期から何らかの障害を持ち

セラピストを目指した人と

セラピストになってから病に

倒れた人です

 

山田さんの様な幼少期から

何らかの障害があった人で

あれば、身体の使い方の

バリエーションが豊富かもしれ

ませんし、より多くのバリアに

気付けているかもしれません

 

そういった知識や経験は間違い

なく当事者セラピストならでは

ですよね

 

関先生の様にセラピストに

なってから病に倒れた人であれ

ば、バリバリ働いていた自分を

記憶しているからこそ、精神的

落ち込みは凄まじいのではない

でしょうか?

 

そういった精神的にしんどい

状況からいかに立ち直って来た

のかという経験は間違いなく

当事者セラピストならでは

ですよね

 

余談ですが、関先生は倒れた

時に

 

『この経験を記録する事は後進

の為になる』

 

と考え、ご主人に全ての過程を

録画してとお願いしたそうです

 

著書を読み、この事を知った時

そのプロ意識に圧倒された記憶

があります

 

当事者の気持ちも理解でき、

セラピストの気持ちも理解

出来る

 

当時者セラピストは当事者と

セラピストの橋渡しが出来る

唯一無二の存在ではないかと

私は思っています

 

多くのセラピストは少しでも

患者さんの役に立ちたいと思い

ながら、日々臨床に向き合って

いると思いますが、どうしても

解しがたい部分は正直

あります

 

例えば痺れや構音障害等です

 

日々のコミュニケーショでは

全くセラピスト側では支障を

感じませんが『違和感がある』

と言われる当事者の方って結構

おられますよね

 

そういった医療的な知識が

乏しい当事者ならではの微妙な

感覚を当事者セラピストは専門

的に言語化出来る可能性が

あります

 

そういった小さな積み重ねが

両者の間にある見えない溝を

少しずつでも埋めていって

くれるのではないでしょうか?

 

最後になりますが、当事者

セラピストは

 

『誰よりもリハビリテーション

を実践出来ている存在』

 

なのではないかとも思って

います

 

山田さんの様に進行性の疾患を

抱えていると、どうしても以前

は出来ていた事が出来なくなる

瞬間が来ます

 

その度、精神的に落ち込み、

悩みながらも『どうすれば自分

らしい日々を送る事が出来るの

か?』を考え、実践し続けて

いるのだと思います

 

当事者でもない、当事者セラ

ピストでもない1人の人間が

当事者セラピストの価値に

ついて好きな様に書かせて頂き

ました

 

関先生や山田さんだけでなく、

私が実際に出会って来た当事者

セラピスト達は本当に魅力的な

人達だらけです

 

1人でも多くの人に当事者

セラピストの存在、価値を

知ってもらえたら嬉しいですし

 

若手療法士や学生に対する教育

的視点から考えても当事者

セラピストの存在意義は大きい

のではないかと私は考えて

います

ブログに関するご意見・ご感想

等ありましたら

 

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までよろしくお願い致します