勘違いしている療法士へ告ぐ

今回は寝たきり患者さんの拘縮

に対して、真摯に向き合って

いる全国の療法士に向けて

伝えたい事があります

 

(以前の私と同じ様な)勘違い

していませんか?』

 

少し前に『寝たきり患者さんの

リハビリテーションとは?』と

いうブログを書きました

 

記事はこちら

 

簡単にブログの内容を解説する

と、自分自身では意思表示を

含め、何も出来ない(改善の

見込みも極めて少ない)寝た

きり患者さんの『その人らしい

生活を支援する(リハビリテー

ション)』って何ですかという

内容で、

 

個人的には拘縮に対して何も

しないという選択肢があっても

いいんじゃないか?という事を

書きました

 

私が書いた事が正解だなんて

1mmも思っていませんが、次の

様な想いを持って寝たきり患

さんの拘縮に向き合っている人

は一定数いるのではないで

しょうか?

 

『可能な限り綺麗なご遺体を

作りたい』

 

表現が少し難しく、不愉快に

感じた方がおられたら申し訳

ありませ

 

もう少しかみ砕いた表現をする

ならば『棺桶に入らない状態

にはしたくない』

 

こう考えた事がある療法士の

背景にはこういった心理がある

のではないでしょうか?

 

『亡くなった後とはいえ、痛み

を感じないとはいえ、骨を

折って棺桶に入る様な事に

なって欲しくない』

 

少なくとも1人はそういった

意識を持って拘縮に向き合って

いた療法士を私は知っています

 

過去の私がそうだからです

 

世代によって違うとは思います

が、拘縮が強い(特に股関節・

膝関節)場合は強制的に骨を

折って、棺桶に入れるという事

を聞いた事がある療法士はいる

と思います

 

今もそう思いながら拘縮に向き

合っている療法士に伝えたい

 

『拘縮が強くても骨を折る様な

事はほぼないそうです』

実は私自身もその事を知った

のはつい最近でして、ある

キッカケから沖縄で『株式会社

おもかげ』という会社の代表

取締役をされている嘉陽果林

さんとSNSを通じて知りあい、

意見交換する中で知り得た

事です

 

株式会社おもかげに関しては

こちら

 

果林さんはご遺体を管理する

だけでなく、ご遺族のグリーフ

ケアもされています

 

グリーフケアとは大切な人を

亡くし、深い悲しみを抱える人

に寄り添い、支え、立ち直る事

が出来る様にサポートしていく

事だそうです

 

療法士の多くは最期の瞬間まで

関われたとしても、亡くなら

れて以降は関わらせて頂く事が

ほぼない為、聞きなれない言葉

かもしれませんね

 

果林さんとやり取りする中で

知った事は昔は『平棺』という

皆さんがイメージする様な

方形の棺が大半だったそう

ですが、

 

今は『山型棺』といって蓋の

部分が山型に盛り上がっている

形の棺もあるとの事(調べて

みると、他にも『かまぼこ

型棺』『船型棺』『インロー

型棺』があるらしい)

 

山型棺であれば、多少の拘縮

でも問題ないとの事でしたが、

療法士として気になるのは拘縮

が強い、具体的には膝が立って

しまっている状態の患者さん

ですよ

 

その場合は、股関節を回旋させ

る等して、棺に入る体勢にした

状態(ポジショニング)で固定

するそうです

 

少々無理な体勢であったとして

も、ご遺体に掛け物さえして

しまえば、ご遺族は顔しか見れ

ない為に、必然的に骨を折る

必要性がなくなるとの事でした

 

林さんは少なくともご自身の

経験の中で骨を折った方を見た

事がないそうです

 

私を含め、療法士の大半は

お見送りする事はあれど、そこ

から先は葬儀会社さんにお任せ

になってしまいます

 

そういった意味で私達にとって

未知の世界である死後の事に

対して真摯に向き合われている

果林さんとの出会いは衝撃的

でもありました

 

この記事を通じて全国の療法

に伝えたい事は拘縮を防ぎきれ

なかった事に対して

 

『必要以上に落胆する必要は

ないんだよ』

 

という事です

 

誤解のない様に再度書いて

おきますが、他職種やご家族と

連携して拘縮が防げる事に

こした事はないと思います

 

『もっと出来る事があったん

じゃないか』

 

そうやって振り返る事も意味の

ある事だと思います

 

ですが、いかに多職種が連携

しても100%拘縮を防ぎきる事

は極めて難しいのではないで

しょうか?

 

拘縮は少しずつ進行するか

しれませんが、その中で目の前

の患者さんに多職種で出来る事

は何なのか?

 

それをご家族も含めて考える事

(何もしないも選択肢の1)

寝たきり患者さんの『リハビリ

テーション』に繋がるのかも

しれないなと今は考えています

 

強い拘縮があっても骨を折る事

く、棺桶に入れる可能性が

高い(100%とは言い切れません)

という事実を知る事が出来た

 

だからといって適当に関われば

いいやという事ではなく、必要

以上に苦痛を伴う様な可動

運動は本当に必要ですか?と

いう事を今一度考えてみて

欲しいなと私は思います

ブログに関するご意見・ご感想

等ありましたら

 

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までよろしくお願い致します