寝たきり患者さんのリハビリテーションとは?

理学療法士として働き

続けて17

 

もモヤモヤし続けている事が

あります

 

それは寝たきり患者さんの

『リハビリテーション』

について

 

この記事を書いていくに辺り、

明確にしておきたい事が2

あります

 

1つ目は寝たきり患者さんの

イメージの統一

 

寝たきり患者さんといっても

人それぞれによって思い描く

イメージが異なると思います

ので、

 

今回は入院患者さんでJCS

Ⅲ桁(刺激しても覚醒しない

状態)、意思表示困難、ベッド

上動作(寝返り~座位)ADL

動作(食事や排泄動作等)

全介助レベル、

 

そういった状況が長期間に

渡って持続しており、回復は

見込めない状態とします

 

2つ目はリハビリテーション=

機能回復訓練ではなく『その人

らしい生活を支援する』事と

します

 

要するに自分自身では意思表示

を含め、何も出来ない患者さん

の『その人らしい生活を支援

する』って何?という問題提起

になります

 

本来リハビリテーション

療法士だけが支援するものでは

なく、多職種で考え、実践して

いく事ですが、今回はあえて

療法士に絞って私の考えを

まとめておこうと思います

寝たきり患者さんに多くの

法士がしている事といえば、

関節可動域運動ではないで

しょうか?

 

少しでも拘縮、つまり関節が

硬くならない様にと他動的に

関節を曲げ伸ばししている訳

ですが、

 

関節可動域運動を行い、拘縮の

進行を少しでも遅くしたとして

本当に患者さんにとっての

『リハビリテーション』に

繋がるのでしょうか?

 

多くの療法士はこう考えている

のではないでしょうか?

 

拘縮の進行を少しでも遅くする

事で二次障害(褥瘡発生や疼痛

増悪、不衛生による悪臭発生

)の予防に繋がるのでは

ないか?

 

人によっては看介護スタッフの

介助量が増えない様にといった

考えを持っている療法士もいる

かもしれません

 

私を含む、全国の療法士に

一度問いたい

 

仮に関節可動域運動を実施する

事で二次障害の発生が少し遅く

なった、看介護スタッフの

介助量が維持出来たとします

 

それは本当に寝たきり患者さん

にとっての『リハビリテー

ション』に繋がっているので

しょうか?

 

少しでも拘縮の進行を防ぎたい

がために行う関節可動域運動、

例え意思表示は出来なくても

苦痛な表情であったり、身体

逃避反応(嫌がる様な動き)

起こしたりしていないで

しょうか?

 

『患者さんの為』という想いが

大前提にあるのはよく理解

出来るのですが、ただでさえ

しんどいであろう患者さんは

痛みに耐え忍んでまで、拘縮を

防いで欲しいと思っているの

でしょうか?

 

対人援助職として『患者さんの

為に』という想いは大切だと

思っています

 

ですが、一歩引いて考えてみる

と『一方的な想いの押し付けに

なってないか?』と感じて

しまう自分もいるのです

 

答えのない問題提起だという事

は理解しているつもりですが、

少なくとも私は本人が意思表示

出来ないのであれば、ご家族の

意向を確認する必要はあるの

かなと考えています

 

判を怖れずに言葉にする

ならば自然に任せて『何も

しない』という選択肢があって

も良いのではないでしょうか?

 

拘縮が出来る事によるメリット

はないと思いますが、だからと

って『拘縮は少しでも防ぐ

べきだ』という価値観を押し

付けるのではなく、選択肢を

提示して患者さんやご家族に

選んで頂く事が大切なのではと

今の私は考えています

 

今回の寝たきり患者さんに

限らず、目の前の人にとっての

『リハビリテーション』とは

何なのかを考え続けられる、

 

複数の選択肢を提示する事が

出来る理学療法士でありたい

ものですね

ブログに関するご意見・ご感想

等ありましたら

 

こちら

 

までよろしくお願い致します

コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    上江田 勇介 (金曜日, 06 8月 2021 07:06)

    僕は、関節可動域と排痰を促進するために大位ドレナージを実施しています。後者については、吸引での喀出が少しでも楽になれば、患者さんへの苦痛緩和につながると思い実施しています。必要に応じて、看護師と体位のポジショニングや方法をディスカッションします。
    前者に関してですが...
    先生のおっしゃるとおり、看護サイドのことや、痛みがでにくくなるなどのことを考えて実施していました。もう少しいろいろな視野を広げていきます!