フレイルに繋がる最初の兆候を見逃がすな

神戸市で行われたフレイル予防

シンポジウムに参加して

来ました

 

講師は東京大学高齢社会総合

研究機構(IOG)機構長・東京大学

未来ビジョン研究センター(IFI)

教授の飯島勝矢先生

 

初めて講演を拝聴させて頂いた

のですが、非常にわかりやすい

だけでなく、熱量のある講演

でした

 

フレイルとは『虚弱』という

意味ですが、医療介護従事者の

多くがフレイルというと

 

『身体的フレイル』をイメージ

するのではないでしょうか?

 

個人差はあれど、加齢と共に

身体機能は確実に低下して

来ます

 

だからこそ『出来るだけ歩き

ましょう』『スポーツジムに

行って身体を動かしましょう』

と声掛けをしている人も多い事

でしょう

 

動かせる範囲で身体を動かす事

はもちろん大切とした上で、

飯島先生はこう問いかけて

おられました

 

『定期的に運動する習慣がある

人はどれくらいいますか?』

 

正直、定期的に運動をする習慣

がある人なんて圧倒的少数派

のが事実ではないでしょうか?

 

そういった事実を理解した上で

飯島先生は違った視点を提示

されていまし

 

まず高齢者の活動を

 

『身体活動』

(定期的な運動習慣)

 

『文化活動』

(囲碁・将棋サークル等に参加

し頭を使っている)

 

『ボランティア・地域活動

(以後地域活動)

(地域のイベント等、家族以外

の付き合いを頻繁にしている)

 

3つに分けます

 

身体活動・文化活動・地域活動

の全てを実践している人の

フレイルになるリスクを1

して、他のグループと比較して

いるのですが、その結果は非常

に興味深いものでした

 

まず全ての活動をしていない

のフレイルリスクは全てを実践

している人と比べると16.4

 

定期的に運動習慣はあるけど、

文化活動と地域活動はして

いない人のフレイルリスクは

6.4倍に抑えられました

 

やはり定期的に運動をする事が

大切なんだという事が示された

訳ですが、

 

興味深い事に定期的な運動習慣

はないけれど、文化活動と地域

活動は実践している人の

フレイルリスクは2.2倍にまで

抑えられたのです

 

要するにフレイル予防には

『社会()との繋がり』が

重要であるという事になります

 

詳細な図に関してはこちら

職業上多くの高齢者と関わって

いて感じるのは男性高齢者と

女性高齢者の社交スキルの違い

 

特に男性は定年退職と共に社会

的な繋がりが少なくなる可能性

が高い

 

更に付け加えると急に自宅に

いる事が増え、妻と向き合う

時間が増えた結果、夫婦関係が

上手くいかなくなる場合もある

 

そうすると社会()との

繋がりが少なくなる

    ↓

行動範囲や生活範囲が狭くなる

(引きこもりがちにな)

    ↓

精神・心理状態が落ち込む

    ↓

口腔機能や栄養状態が悪化する

(食欲が出ない)

    ↓

身体機能が低下する(フレイル

が進行する)

 

といったドミノ倒しの様な連鎖

が起こり、飯島先生はこれを

『フレイル・ドミノ』と呼ばれ

ています

 

フレイルを引き起こす要因は

様々ありますが、最初にリスク

となる兆候が表れるのが

『社会との繋がり』との事

 

理学療法士は職業柄『身体

機能』に意識が向きがちでは

ないでしょうか?

 

その事自体が悪いのではなく、

もっと他の部分(文化活動や

地域活動)の情報収集もして

いかなければならないのでは

ないでしょうか?

 

大切な事はフレイルは1

なったら終わりではなく、

可逆性(頑張れば元の状態に

戻れる)があるという事

 

私を含む医療介護従事者は少し

でも早く対象者のフレイルの

兆候に気付き、アプローチして

いく事が求められているのでは

ないでしょうか?

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