認知症は予防出来るのでしょうか?

先日若年性アルツハイマー型

認知症の当事者である丹野智文

さんの講演を拝聴しました

 

丹野さんの他にも認知症専門医

と多くの高齢者と関わられて

いる訪問診療医の講演でも認知

症に関して学ぶ事が出来た

 

またコロナの感染者数が増加

傾向にある日本ですが、

オンラインで色んな講師の話を

聴けたり、参加者と価値観を

共有出来る機会が増えた事は

本当に有難い事だと思って

います

 

Zoomの使い方がわからない』

とか言ってるのは本当に

もったいないですよ

 

丹野さんを含め、3人の講師の

話を聴いて共通していた事は

『認知症は予防出来ない』

という事

 

時代はwithコロナですが、

これからの時代は認知症に

なっても生きやすい世の中に

していく必要があるのだなと

改めて感じました

丹野さんの講演の中で印象に

残っている事が3つあります

 

1つ目は認知症になっても繰り

返し練習する事で色んな事が

上達するという事

 

丹野さんが認知症になってよく

言われる言葉の1つが『認知症

らしくない』だそうです

 

丹野さんの講演後には質疑応答

の時間があったのですが、見事

な返答ぶりでした

 

正直丹野さんの事を知らない人

が聞いたら『若年性アルツ

ハイマー型認知症』だとは

思わないでしょう

 

でも講演活動をスタートされた

時は泣きながら話をされていた

そうです

 

苦労しながら多くの講演に取り

組む中で話す技術が上達して

いったそうです

 

別の講師の研修でも触れられて

いたのですが、アルツハイマー

型認知症の方に繰り返し同じ

絵を書いてもらう事で、明らか

に完成度が上達していました

 

丹野さんは自分が認知症に

なっても新たな事を覚えられる

証明だと言われていました

 

『認知症だからもうダメだ』

ではなく我慢強く関わって

必要があるのだなと感じました

 

2つ目は家族を含め、周囲の

環境が大切であるという事

 

会社では上司の顔、自宅では

時折子供の顔も忘れる事がある

丹野さん

 

今でも通勤途中に道に迷う事が

あるそうですが、会社もご家族

もそういう自分自身を受け入れ

てくれていると言われて

いました

 

例え上司の顔を忘れても同僚が

教えてくれる

 

忘れられた上司もそういう丹野

さんを受け入れている

 

家族も同じ事を言う(本人は

自覚がない)丹野さんに

3回目だよ』と優しく

ツッコむ

 

周囲が認知症である丹野さんを

理解し、受け入れてくれさ

すれば、認知症であっても困ら

ないんですよね

 

講演活動が忙しくなって来て

現場に出れない事が増えた丹野

さんは、今後の働き方を会社

(トヨタ)に相談すると

 

『トヨタに在籍しながら競技を

続けている宇野昌磨選手の様な

働き方をすればいい』と言われ

今は認知症の活動が仕事に

なったそうです

 

こういった理解ある会社が増え

認知症になっても働き続ける事

が出来る社会になればいいなと

純粋に感じました

 

3つ目は生きがいがあれば、

認知症は進行にくいという事

 

丹野さんは若年性アルツ

ハイマー型認知症と診断され、

10年が経過しています

 

私が今までに現場で関わらせて

頂いた若年性アルツハイマーの

10年経過して元気に過ごさ

れている方は記憶にありません

 

ですが、丹野さんは約10年経過

して顕著な認知症の進行は

みられていないそうです

 

これは訪問診療医の佐々木淳

先生が講演の中で紹介されて

いた事ですが、海外のアルツ

ハイマー型認知症の研究に

よる

 

『生きがい(人生の目的)』の

有無によって認知症の進み方

が全く違う事が分かっている

 そうです

 

生きがいがある人は認知症の

進行が緩やかになるという事

ですね

 

佐々木先生の記事はこちら

 

認知症になると『リスク管理』

という名目で色んな事に制限が

かかり始めてしまう事が多い

 

周囲からすれば善意の行動なの

かもしれませんが、認知症

当事者からすると『生きがい』

や『楽しみ』を奪われる事に

なっている可能性もあります

 

丹野さんはご自身がされている

活動を『認知症でも出来る

仕事』ではなく『認知症に

なったからこそ出来る仕事』と

言われていました

 

かつての自分の様に、認知症

になって不安の中にいる人を

笑顔にする』事を生きがい

(目標)にされている丹野さん

 

現時点では認知症の予防は

難しい

 

ですが、丹野さんの様な想いや

生きがいを持つ事で認知症の

進行を遅らせる事は出来るの

かもしれません

 

最後に自戒を込めて問いかけ

させて下さい

 

我々医療介護従事者は対象者の

生きがいを引き出し、サポート

する立場であるはずですが、

いつの間にか生きがいを奪って

しまってはいませんか?

ブログに関するご意見・ご感想

等ありましたら

 

こちら

 

までよろしくお願い致します