2060年には高齢者の3人に1人は
認知症になると考えられて
います
同時に2060年には全人口の40%
は高齢者と予測され、人口の
7人に1人が認知症という事に
なります
超高齢化社会に向けて近年
『フレイル』がよく取り上げ
られていますが、フレイルには
『身体的フレイル』
『精神・心理的フレイル』
『社会的フレイル』
の3つがあるのですが、今回は
社会的フレイルについて考えて
いきます
社会的フレイルとは
『社会活動への参加や社会的
交流に対する脆弱性が増加して
いる状態』
とされ、具体的には
『外出頻度が1日1回未満の
閉じこもり傾向』
および
『同居家族以外との交流が
週1回未満の社会的孤立状態』
とされている
本来自立は家族や地域の
ソーシャルキャピタル(簡単に
言えば人間関係や信頼関係
または結びつき)等が根っこと
なって支えられるものです
しかし高齢者は家族や地域の
同世代が少なくなり、1日中家
でテレビを見ている様な生活に
なりがちです
社会との繋がりと死亡率の関係
を調査したアメリカでの調査に
よると、家族がいて、且つ
コミュニティリッチ、つまり
複数の友達のいる後期高齢者の
半年後の生存率は6割を超えて
います
しかし家族はいても友達の
いない人は4割となり、家族も
友達もいない人は2割に
なります
更に別の調査では、家族と同居
して家族と食事をとっている方
の死亡リスクを1とすると、
男性の場合、家族同居して食事
は独りという方のリスクは
1.47で、女性は1.16
家族と別居している孤食の方の
リスクは男性1.18、女性1.08
家庭内孤立されている方が最も
危ないという事になります
また、愛知県では03年に65歳
以上の男性6953人、女性7636
人に質問調査を行いました
そしてその4年後に彼らの健康
状態を調べた所、男性759人、
女性1146人が、要介護状態に
なっていました
地域別に発症者の分布を割り
出した結果、不信度が高い地域
に住む人の方が1.68倍も高く
機能障害を起こしているという
事がわかったのです
同様に、日本全国206の地域で
1157人を対象に調査を行った
結果でも、高いソーシャル
キャピタルと良い健康状態には
統計学的に強い関係がある事が
認められました
つまり、ソーシャルキャピタル
が高い程、健康である事が証明
されたのです
ソーシャルキャピタルが高いと
長生きできる理由は、2つ
あります
1つは他人同士の密なネット
ワークにより、健康によい情報
やサービスが提供される事
もう1つが、周囲との人間関係
が円満になり、ストレスが
少なく治安の良い環境が作り
出せるからです
こういった調査から考えても、
社会的フレイルが進行すると
死亡リスクが上がったり、健康
状態が悪化する事が予測
されます
では社会的フレイルを予防する
為に私達に出来る事はなんで
しょうか?
自分自身の事を考えるのであれ
ば、今の時点からソーシャル
キャピタルを少しでも高めて
おく事
これからの時代はオフライン
だけでなく、オンラインも有効
活用出来るのではないで
しょうか?
高齢者に対しては色々な情報を
聞き出し、共通項(同じ趣味や
価値観)がある人と繋いだり、
得意分野や趣味を活かせる場所
(街の囲碁や将棋クラブ等)を
紹介する事で新たなソーシャル
キャピタルが構築出来るのでは
ないでしょうか?
現場で多くの高齢者と関わって
来て実感している事があります
多くの男性が仕事を終えると
同時に人間関係が極端に少なく
なる
仕事の切れ目が縁の切れ目に
なっている事も多い
そして、仕事一筋で頑張って
来た結果、仕事を終えた後に
打ち込めるものが見つからない
その結果、急にずっと家にいる
生活になり、男性だけでなく妻
(女性)もストレスを感じる様に
なり、家に居場所が。。。
という事にも繋がりかねない
居心地が悪いという理由で致し
方なく外出するのではなく、
自らの意思で定期的に『外出』
したり、他者と『交流』出来る
高齢者を目指したいものですね
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