生活期のリハビリテーションは急性期・回復期と比べて面白くないのか?

『生活期はやりがいがない』

 

『生活期は変化がないから

面白くない』

 

『生活期はただの悪化の防止』

 

1年目から生活期に就職する

のは辞めておいた方がいい』

 

リハビリテーション業界で働い

ていると1度はこういった言葉

を耳にした事があるのではない

でしょうか?

 

『生活期って何?』と思われて

いる方は『維持期』だと捉えて

頂いて結構です

 

私は今年で理学療法士として

17年目になりますが、その内の

14年は『生活期』で働いて

います

 

最初の3年は『急性期』で働い

ていたのですが、療養型病院に

転職する際に葛藤がなかったか

と言えば嘘になります

 

身体機能に変化が出やすい

急性期に大きな魅力を感じて

いたからです

 

『やりがいを感じられる

だろうか?』

 

『理学療法士としての技術が

鈍るのではないだろうか?』

 

という不安を抱えながら転職

した事を今でも覚えています

 

では14年生活期で働き続けて

いる私が現時点でどう感じて

いるのかといえば

 

『生活期には生活期の面白さや

やりがいがある』という事です

私が面白さややりがいを感じる

ポイントは2

 

1つ目は生活期は急性期や回復

期と違って『自然回復』がほぼ

見込めないという事

 

急性期・回復期は療法士が介入

した成果+患者さんの自然治癒

力によって身体機能が改善して

いきますが、

 

生活期においては自然治癒力の

関与が小さくなる為に、

変化が出た=療法士が介入した

成果と捉える事も出来るのでは

ないでしょうか?

 

急性期・回復期は変化が出や

すい反面、患者さんの自然治癒

力で改善したのか療法士として

介入した成果なのかの判別が

難しく、

 

自然回復を『介入した成果』と

勘違いしてしまう可能性もある

と考えています(療法士の本質

として、どの様な理由であろう

と改善している事は喜ばしい事

である事に違いはありません)

 

生活期は変化が出にくいから

こそ療法士としての知識・技術

・視点・他職種(他事業所も

含む)を巻き込むコミュニケー

ション能力が問われるのでは

ないでしょうか?

 

2つ目は変化が出にくいから

こそ

 

『今の身体能力でいかに動ける

環境設定が出来るのか?』

 

という事を考えられる様に

なる事

 

身体能力は変化しなくても動作

能力を改善する事は出来るん

ですよね

 

生活期で働く療法士は急性期・

回復期で働く療法士よりも

実生活に1番近いポジションに

いる存在です

 

通所系サービス(デイケアや

デイサービス)や訪問系

サービス(訪問リハ訪問看護)

での関わりも『生活期』であり

直に対象者の生活環境に入り

込む事も多くなります

 

生活環境を自分の目で確認する

事が出来れば、

 

家具の位置を調整する事で導線

を確保したり、段差をご自宅に

ある物を使って解消したり、

福祉用具の利用を提案したりと

様々なアプローチが出来るん

ですよね

 

以前こういった環境に対して

アプローチする事を『機能障

からの逃げ』と表現する療法士

がいましたが、私はいつ改善

するかわからない疼痛や筋

低下に固執するのではなく、

 

安全に動ける環境を作って活動

量を上げた方が身体機能の改善

や廃用予防に繋がるのではない

かと考えています

 

個人的な結論としては急性期・

復期のリハビリテーションに

も面白さややりがいがある様に

生活期には生活期の面白さや

やりがいがあると感じています

 

急性期・回復期と比べると機能

的な変化は出にくいかもしれま

せんが、動作能力としての変化

は出す事が出来ます

 

逆に生活期において機能的な

改善ばかりに意識を向けている

人が

 

『生活期はやりがいがない』

 

『生活期は変化がないか

面白くない』

 

と感じてしまうのかも

しれませんね

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