ある新人療法士から個別に
ある質問を頂きました
簡単にまとめると
『どうすれば療法士として自信
が持てる様になりますか？』
といった内容でした
非常に興味深い問いかけですし
個人的な考えを伝えるよりは
多くの先輩の声を聞いた方が
良いと考え、皆さんと意見交換
出来ればと思います
質問をくれた療法士だけでなく
同じ悩みを抱えている新人や
若手療法士もいるのではないか
と考えたからです
頂いたメッセージをシェアする
事は了承を得ています
まず私自身、質問をもらった時
に自らに問いかけてみました
『療法士としての自信は持てて
いるのか？』
恥ずかしながら答えは
『いいえ』でした
一方で私は療法士として必ず
しも自信を持っていなければ
ならないとは思いません
ただし、自信のなさが患者さん
やご家族に伝わってしまう様な
状態は良くないと考えています
自信が持てない理由は色々あり
ますが、療法士として改善
出来ない患者さんの方が圧倒的
に多かった事や
私自身が学生時代に劣等生
(留年・臨床実習不合格)で
あった事が関係しているのかも
しれません
患者さんやご家族の期待に応え
られなかった悔しさ、焦り、
無力感
担当を変えて欲しいと言われた
時の悔しさ、絶望感
こういった負の経験が自信の
無さを生み出す反面『勉強
しなければ』と自分を奮い立た
せてくれる部分は少なからず
ある様に感じます
留年と臨床実習不合格経験
この2つの経験は今でこそ私の
活動や発信の力の源になって
くれていますが、劣等生だった
過去が頭の中から消える訳では
ありません
劣等生だったから『自信が持て
ない』部分はありますが、一方
で劣等生だったからこそ『勉強
しなければ』という側面は今で
もあると私自身は考えています
あくまでも私の価値観では
ありますが、こういった点から
考えても
『自信が持てない』＝『ダメ』
という方程式は一概には成立
しないのではないでしょうか？
話は変わりますが、質問を
くれた新人療法士さんの投稿を
見ていると『元々自分自身に
自信を持つ事が苦手』だ
そうです
そもそも入職して2週間の
療法士が自信満々というのも
どうかとは思いますが、個人的
には周囲(今回であれば先輩)と
自分を比較する必要はあまり
ないのかなとも思います
ですが、人によっては周りと
比べて自分はあまりにも価値が
ないと思ってしまう人もいて、
少なくとも周りの人と同じ
ぐらいに自分は価値がある存在
だと思えないという状態で
あったり、
今の自分に全く満足出来ない所
が多い状態というのは、自信と
いうよりは『自尊心』が低下
しているのかもしれません
自尊心とは『ありのままの自分
を認める事が出来ているか
どうか』という事です
自尊心に関する興味深い研究が
あります
米テキサス大学オースティン校
のMichelle Harris氏らは
4歳から77歳までの男女46000人
以上のデータをまとめて、
自尊心を身につけるにはどう
すればいいのかという事を調べ
ました
その結果
『友達との関係であったり、
会社での関係といった社会的な
人間関係の質が高い人ほど、
かなりの高い確率で自分を
認める事が出来て自尊心が
高くなる』
という傾向が確認されました
そして、それと同時に
『自尊心が高い人ほど人間関係
が良くなる』
という傾向も確認されました
つまり
家族や恋愛関係ではなく(良好
な恋愛関係と自尊心は相関
しない)仕事の関係や友達と
いった若干距離のある人間関係
が良い人ほど自分を認める力が
高くなり、その自分を認める力
が高くなると人間関係が良く
なり、
それによりまた自分を認める力
が高くなるという良のスパイラ
ルが起こり、一度人間関係が
良くなった人はどんどん自分を
好きになる事が出来て、自分を
認められる様になっていくと
いう事になります
新人療法士さん自身が書いて
おられる様に、今回頂いた質問
に対する回答に正解等ないと
思います
自信に繋がる1番わかりやすい
方法は患者さんに喜んでもらえ
たり、患者さんの身体能力が改
善する事ではないでしょうか？
ただ、1年目の2週間目では技術
や知識が乏しく、経験も無い為
にそういった実感を得にくい事
も考えられます
そういった観点からあえて
今回は『自信がない事のメ
リット』と『自尊心の高め方』
について書かせて頂きました
少しでも悩んでいる新人療法士
や若手療法士の参考になれば
幸いです
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