療法士に出来る事は何ですか?

 

自分への戒めも兼ねて書かせて

下さい

 

 

前に終末期の患者さんを担当

した事がありました

 

全身状態は良くないものの、

食欲はあり一時的でも自宅に

戻れたら『熱々のカツ丼が

食べたい』が口癖

 

人生経験豊富で話も面白く、

私自身がお部屋を訪れるのを

楽しみにしていました

 

『出前をとったら今すぐ

食べれるかも』

 

そう頭の片隅では考えていな

がら、病院食も出ているし、

入院中に出前なんて聞いた事が

ない

 

『このままいけば外泊出来る

かもしれない』

 

そんな何となくの予測から行動

に移せないでいると容体は急変

 

カツ丼を食べる事は叶いません

でした

 

そんな私にその歯痒い経験を

活かせる時が来ました

 

同じ終末期の患者さん

 

担当して数日目

 

『病院食は冷たいし美味しく

ない。温かい物が食べたい』

 

そう話す患者さんに好きな

食べ物を尋ねてみると

 

『温かいおうどんが食べたい』

 

すぐに院長に出前OKの許可を

もらい

 

『出前してくれるお店あります

よ。温かいおうどん食べれ

ますよ』

 

そう伝えると、満面の笑顔で

 

『いいの?ありがとう。

楽しみ』

 

数日後、部屋を訪れてみると

 

『今はカレーうどんやってない

んだって。。。』

 

と残念そうに話されました

 

『そうでしたか。今度食べれ

そうな日に別のおうどんを注文

してみて下さいね』

 

その後うどんを口にする事なく

容体は悪化してしまいました

 

事前にカレーうどんがやって

ない事を把握していれば、別の

お店を探せたかもしれない

 

事前にカレーうどんがやって

ない事を把握していれば、

あらかじめ別のうどんを注文し

食べれていたかもしれない

 

1度だけでも温かいおうどん

を食べさせてあげたかった』

 

これは私のエゴかもしれません

し、理学療法士の仕事ではない

のかもしれませ

 

ですが、私が提供出来る数回の

理学療法よりも1回の温かい

おうどんの方が私は価値がある

と思いました

 

私が理学療法を提供すると

いつも『先生、ありがとう』と

言って下さる方でした

 

私は『先生、ありがとう』より

『先生、美味しかったよ』の

言葉を引き出したかったんです

 

批判されるかもしれないのを

覚悟で書かせて頂きます

 

いつ死ぬかわからない患者さん

に対して療法士が出来る事は

何ですか?

 

可動域の確保ですか?

 

下肢筋力の維持ですか?

 

介助量の軽減ですか?

 

慰安目的のマッサージですか?

 

答えはその人の希望、体調や

置かれている状況によっても

異なるでしょう

 

ですが、少なくとも私は

しんどい身体に鞭打って

ブリッジ運動をしてもらおうと

は思いません

 

少なくとも私は下肢筋力を少

でも落とさない為に患者さん

自身の力を最大限使える状況で

起立運動してもらおうとは

思いません

 

療法士業界にはマッサージを

毛嫌いする人が非常に多い印象

がありますが、ダメですか?

 

終末期の患者さんに慰安目的で

マッサージを提供する事は?

 

私は必ずしもダメだとは

思いません

 

ベッド上端座位がしんどいなら

ギャッジアップでは

ダメですか?

 

クライニング式車椅子に移乗

するのも平行移動ではダメ

ですか?

 

私が書いている事がリハビリ

テーションでない事は理解して

るつもりです

 

でも私は自分や自分の親がそう

いった状況になったらリハビリ

テーション(機能回復による

社会復帰)は望まないと

思います

 

少し話がずれましたが、私は

 

療法士としてではなく、人と

して目の前の患者さんに出来る

事を精一杯考えたい

 

今回の患者さんに関して必要だ

と感じたのは理学療法ではなく

美味しいおうどんだった

 

それだけの事です

 

結果として温かいおうどんを

食べてもらう事が出来なかった

 

でも私はこ2人の経験を無駄

にはしない

 

次に同じ様な状況に遭遇した時

は患者さんの

 

『先生、美味しかったよ』

 

を引き出したい

 

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